「しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない」「夜中に何度も目が覚める」。そんな方は少なくありません。

眠りの質は、何を食べたかだけでなく、いつ食べたかにも左右されます。結論からお伝えすると、今夜の眠りをつくるのは、今朝の食事です。その理由と、時間のとり方を解説します。


なぜ「朝ごはん」が夜の眠りを決めるのか

夜になると自然に眠くなるのは、脳で「メラトニン」という睡眠ホルモンが作られるためです。このホルモンは体が勝手に用意するものではなく、食事から摂った栄養素をもとに作られます。

材料になるのは、トリプトファンという必須アミノ酸です。朝にトリプトファンを摂ると、日中にセロトニンへ変わり、約14〜16時間後の夜にメラトニンになります。つまり、朝7時に食べたものが、夜9時から11時ごろの眠気をつくっているのです。

日中に材料が足りていないと、夜になっても十分なメラトニンが作られず、寝つきや眠りの深さに響きます。


材料になる3つの栄養素

トリプトファン(眠りのホルモンの材料)

体内で作れないため、食事から摂る必要があります。乳製品、大豆製品、バナナ、卵、ナッツ類に多く含まれます。

ビタミンB6(変化を助ける)

トリプトファンがセロトニンやメラトニンへ変わる過程を支えます。まぐろ・かつおなどの魚、赤身の肉、バナナ、アボカドに多く含まれます。

マグネシウム(深い眠りを支える)

筋肉の緊張をゆるめ、体温の調節を助けます。海藻、納豆、アーモンド、えび、ほたてなどに含まれます。

特別なものは必要ありません。「納豆ごはんと味噌汁」「ヨーグルトとバナナ」で、3つとも揃います。


時間割:3つの決まりごと

1. 朝食は、起きてから1〜2時間以内に

朝に材料を入れておくことが、夜の眠りの準備になります。バナナ1本でも、味噌汁と納豆ごはんでも構いません。抜くと、その日の夜の分が足りなくなります。

2. 夕食は、寝る3時間前までに

胃に食べ物が残ったまま横になると、体は消化を優先します。脳も体も休みきれず、眠りが浅くなります。難しい日は、夕方に主食だけ先に食べておく方法もあります。

3. 夜遅くに空腹なら、温かく・あっさりと

どうしてもお腹が空いたときは、ホットミルク、豆腐、具の少ない味噌汁など、消化に負担をかけない温かいものを少量に。これだけで翌朝の重さが変わります。


眠りを妨げる3つの習慣

  • 寝る直前の甘いもの・脂っこいもの。血糖値が大きく動き、夜中に目が覚める原因になります
  • 寝酒。寝つきはよく感じますが、分解の過程で眠りが浅くなります
  • 夕方以降のコーヒー。カフェインは効き目が4〜6時間続くため、15時以降は控えめに


まとめ

睡眠と食事は、お互いに影響しあう関係です。眠りが足りないと食欲を抑えるホルモンが減り、高カロリーなものを欲しくなるという悪循環も起こります。

まずは「朝に卵か納豆かバナナを足す」「夕食を30分早める」。この2つから始めてみてください。今日の朝食が、今夜の眠りをつくります。


一人で抱えこまず、管理栄養士と一緒に

ここまで読んで、「自分の場合はどうすればいいの」と思われた方もいるはずです。体質も生活も人それぞれですから、一般論だけでは迷いが残ります。

MEGURU では、毎日の食事の記録をもとに、管理栄養士があなたに合ったやり方を一緒に考えます。我慢を増やすのではなく、いまの食生活を知るところから。無理なく続けられる一歩を、二人三脚で見つけていきます。


よくある質問

Q. 寝る前にホットミルクを飲むと眠れるというのは本当ですか?

牛乳にはトリプトファンが含まれますが、飲んですぐ眠くなるほどの量ではありません。温かい飲み物で体が落ち着く効果のほうが大きいと考えられます。材料として役立てたいなら、夜ではなく朝に摂るのが効率的です。

Q. 夕食が遅くなる日は、どうすればいいですか?

夕方におにぎりやパンなど主食だけを先に食べ、帰宅後は主菜と汁物を軽めに摂る「分食」がおすすめです。寝る直前にまとめて食べるより、眠りにも翌朝の調子にも差が出ます。

Q. サプリメントで補ってもいいですか?

食事から摂ることを基本にしてください。サプリメントの利用や、薬を飲んでいる場合の飲み合わせについては、医師・薬剤師にご相談ください。