特定保健指導をしていた頃、50代の会社員の男性を担当したことがあります。ご結婚されていて、お子さんが2人。一家の大黒柱として、毎日忙しく働いている方でした。
健診では、メタボリックシンドロームに加えて、中性脂肪、LDLコレステロール、血糖値、血圧も高めでした。
食事記録は、きれいでした
「食事を見直していく必要がありそうだな」。そう思いながら、食事記録を見せていただきました。
ところが、朝食はきちんと食べている。昼食は、奥様が作ってくださったお弁当の日もある。夕食もご自宅で食べていて、野菜もしっかり摂れている。一見すると、バランスのよい食生活です。
「どうして、こんなに数値が高いんだろう」。私は少し不思議に思いました。
記録に書かれていないものを、聞いていった
そこで、食事記録に書かれていないことについて、少しずつお話を聞いていきました。すると見えてきたのが、会社での飲み会、仕事中にいただくお菓子、何気なく飲んでいる甘いコーヒーでした。
「飲み会では、何を食べたか覚えていないんですよね。いちいち記録するのも面倒で」。そう話してくださいました。
なるほど。食事記録に書かれているものだけを見ていたら、見つけられなかった部分でした。
「写真を撮ってきてください」とお願いした
私は「無理に覚えて書かなくても大丈夫です。飲み会や外食のときは、写真を撮ってきてもらえますか」とお願いしました。
写真なら、後から見返すことができます。何を食べたのか、どのくらいの量だったのか。写真には、その人の「いつもの食事」が残ります。
そして、そこから一緒に考えていきました。「これはやめましょう」と制限するのではなく、「ここは少し量を減らしてみませんか」「この料理を選ぶなら、次はこうしてみましょう」「飲み会の前後で調整してみるのはどうでしょう」。できることを一つずつ。
実際に食べる姿を見て、わかったこと
ある日の栄養指導で、私はお昼ご飯を用意し、実際に食べていただきました。すると、食事記録だけでは見えなかったことが、次々と見えてきました。
食べるスピードが速い。そして、最初に口にするのはご飯。野菜やおかずより先に、どんどんご飯が進んでいきます。
食べる順番やスピードについて、なぜそうしたほうがよいのかをお伝えしながら、実際の食事の中で一緒に確認していきました。
一年後
体重は減り、健診の数値にも変化が見られました。もちろん、何か一つを変えただけではありません。
飲み会のときの選び方。間食のとり方。甘い飲み物との付き合い方。そして、普段の食べるスピードや順番。毎日の小さな選択を、一つずつ積み重ねていった結果です。
記録に残っていないところに、生活が隠れている
この経験から、私は改めて感じました。食事記録は、その人の食生活のすべてではない、ということです。
だからこそ、数字や記録だけを見るのではなく、その人の話を聞く。ときには、実際に食べている姿を見る。「何を食べたか」だけではなく、「どうしてそれを食べたのか」「どんな毎日を送っているのか」。そこまで知ることが、その人に合ったお手伝いにつながっていくのだと思います。
MEGURU には、私が現場で感じていた「記録することの大変さ」を、少しでも減らしたいという想いがあります。一つひとつ入力するのではなく、写真を撮るだけ。その写真から、食事の栄養を確かめられます。
あの頃、私が「写真を撮ってきてください」とお願いしたように。今度は MEGURU が、あなたの食事を一緒に見つめていきます。
よくある質問
Q. 食事記録は、何をどこまで書けばいいですか?
完璧を目指す必要はありません。飲み会や間食も含めて、ふだんの姿がわかることのほうが大切です。MEGURU なら写真を撮るだけなので、思い出して書く手間がいりません。
Q. 飲み会のある週は、記録をやめたほうがいいですか?
むしろ、そういう日こそ残してください。数値が動く原因はそこにあることが多く、見えるようになると対策が立てられます。
Q. 自分の記録を見てもらうことはできますか?
管理栄養士との面談で、記録を一緒に見ながらご相談いただけます。数字の裏にある生活まで含めて、続けられる方法を探します。







