「最近、味が薄く感じる」「何を食べてもおいしくない」。そんな変化に気づいたとき、原因のひとつとして考えられるのが亜鉛の不足です。

味を感じるしくみと亜鉛の関係、そして食事でどう補えるのかを整理します。


なぜ亜鉛が足りないと味がわからなくなるのか

舌の表面には、味蕾(みらい)という味を感じる小さな器官があります。この味蕾の細胞は、およそ1か月で新しく入れ替わります。

その入れ替わりに欠かせないのが亜鉛です。足りないと新しい細胞が作られにくくなり、味を感じる力が落ちていきます。


亜鉛が不足しやすい方

  • 高齢の方。食べる量が減り、吸収する力も落ちます
  • 食が細い方、ダイエット中で肉や魚を避けている方
  • 加工食品やインスタント食品が多い方
  • お酒をよく飲む方。分解の過程で亜鉛が使われます
  • 一部のお薬を飲んでいる方

お薬の影響が気になる場合は、自己判断せず医師・薬剤師にご相談ください。


多く含まれる食品

  • かき(牡蠣)… 2〜3個でおよそ7mg。群を抜いて多い食品です
  • 牛もも肉 100g … 約4mg
  • 豚レバー 50g … 約3.5mg
  • うなぎのかば焼き 1串 … 約2.7mg
  • 納豆 1パック … 約1mg
  • カシューナッツ 20g … 約1mg

1日の推奨量は、成人男性で11mg、女性で8mgです。肉や魚を毎食そろえていれば届きますが、主食中心の食事が続くと不足しやすくなります。


吸収をよくする食べ方

  • ビタミンCと一緒に摂ると吸収がよくなります。レモンをかける、果物を添える
  • 動物性たんぱく質と一緒だと吸収されやすくなります
  • 加工食品に多い添加物の一部は、吸収を妨げることがあります


受診したほうがよい場合

次のようなときは、食事の見直しだけで様子を見ず、医療機関にご相談ください。

  • 急に味がまったくわからなくなった
  • においも同時にわからなくなった
  • 口の中の乾きや痛みをともなう
  • 食事を整えても、2〜3か月変わらない

味覚の変化は、ほかの病気やお薬の影響で起きることもあります。原因を確かめることが先です。


まとめ

味を感じる細胞は、1か月ほどで入れ替わります。食事を整えてから変化が出るまでにも、それくらいの時間がかかります。

まずは主菜をきちんと。肉、魚、卵、大豆製品を毎食にそろえることが、いちばんの土台です。


一人で抱えこまず、管理栄養士と一緒に

ここまで読んで、「自分の場合はどうすればいいの」と思われた方もいるはずです。体質も生活も人それぞれですから、一般論だけでは迷いが残ります。

MEGURU では、毎日の食事の記録をもとに、管理栄養士があなたに合ったやり方を一緒に考えます。我慢を増やすのではなく、いまの食生活を知るところから。無理なく続けられる一歩を、二人三脚で見つけていきます。


よくある質問

Q. 亜鉛のサプリメントを飲んでもいいですか?

亜鉛は摂りすぎると、ほかのミネラルの吸収を妨げることがあります。サプリメントの利用や量については、医師・薬剤師にご相談ください。

Q. 牡蠣が苦手ですが、どう補えばいいですか?

牛の赤身肉、豚レバー、うなぎ、納豆、ナッツ類からも摂れます。毎食に主菜をそろえることで、十分に届きます。

Q. 味覚の変化は年齢のせいですか?

加齢による変化もありますが、栄養の不足やお薬の影響が重なっていることも少なくありません。年齢のせいと決めつけず、一度確かめることをおすすめします。